青木内科・リハビリテーション科 さいたま市見沼区,東大宮駅 内科,糖尿病内科,内分泌代謝内科,漢方内科,リハビリテーション科

 

 ●インスリンポンプ療法

まずはじめに

糖尿病患者さんの中には、インスリンを持続的に身体に注入する必要のある方がいます。
健康な方のすい臓からは常に少量のインスリンが分泌されており(基礎インスリン)、食事の際には食事にあわせて必要なインスリンが分泌されます(追加インスリン)。 必要なインスリンが不足している糖尿病患者さんにインスリンを注入し、補助するのがインスリン療法です。

インスリン療法の種類

インスリン療法には、インスリンを1日1回~5回注射で皮下に注入する注射療法と皮下に留置した細くやわらかいカニューレを通して持続的に注入するインスリンポンプ療法(Continuous Subcutaneous Insulin Infusion:CSII)とがあります。

 

インスリンポンプ療法と注射療法の違い

インスリンポンプ療法ではインスリンを少量ずつ投与するため、予定外の運動や食事など、予定がかわったときに途中で注入を止めたり減らしたりすることが可能です。

  

インスリンポンプ療法とは

インスリンポンプ療法では健康な方のすい臓の働きに近い状態にする、つまり血糖を正常に保つために分泌されている少量のインスリン(基礎インスリン)を、24時間連続的に注入するだけでなく、食事にあわせて必要なインスリン(追加インスリン)を比較的簡単なボタン操作で注入することが可能です。

 

 

インスリンポンプ療法にすると・・・

  • 基礎インスリンの必要量は1日の中で変動し、また、追加インスリンの必要量も患者さんごとに異なります。インスリンポンプでは患者さんに合わせた基礎インスリン量を設定できます。


参考文献
Scheiner G, Boyer BA. Characteristics of basal insulin requirements by age and gender in Type-1 diabetes patients using insulin pump therapy. Diabetes Res Clin Pract. 2005;69:14-21.

  • 平日や休日など、曜日や活動スタイルに合わせた設定が可能です。
  • インスリン注入を途中で止めたり、注入量を変更したりできるため、好きな時間にお風呂に入ったり運動することができます。
  • 比較的簡単なボタン操作でインスリン注入ができるため、場所や時間を選びません。
ほかにも・・・
インスリンポンプ療法は、糖尿病の管理に有用であり、1日の注射回数を減らすことにも役立つ可能性があります。
インスリンポンプは携帯できるため、さまざまなライフスタイルに適合しやすいと考えられます。

 

仕事や育児、ライフスタイルに合わせた血糖コントロールを

■急な外食や、飲み会でも安心

かんたんなボタン操作で食事量や内容に応じたインスリン注入が可能になるため、急な誘いや不規則になりがちな食事にも対応しやすくなります。

■カスタマイズできる基礎インスリン注入量

仕事や育児、運動等、日々異なるあなたの生活や活動に合わせて基礎インスリン注入量をカスタマイズできます。

■注射による痛みの減少とともに、あなたらしい生活を

インスリン注入のための針を刺す操作は2~3日に1回の頻度です。
一時的な取り外しもかんたんに行えるため、お風呂やプールに入ることもできます。

1日4回以上の血糖自己測定は引き続き行ってください

 

より良い効果が不安の低減に

■不規則な生活や不測の事態にも

基礎インスリンが24時間継続的に注入でき、複数のパターンも設定できるため、不規則な生活になりがちの方も安心です。 低血糖が心配になる急な外回り業務や外出の時も基礎インスリンの調整ができます。

■不安な低血糖にも

インスリンポンプは重度低血糖イベントリスクを最大85%まで低減させることが報告されています。1

より良い血糖コントロールのために

基礎インスリンを時間帯ごとに細かく設定できるため、たとえば朝の高血糖などの血糖のばらつきを安定させることが可能になります。 インスリンポンプを使うことにより、持効型インスリン注射と比べて目標A1C値を達成できる可能性が約4倍になるという結果も出ています。2

 

長期にわたり、あなたの健康をサポート

インスリンポンプは、より良好な血糖コントロールを可能にし、長期的な合併症リスクを低下させます3

  • 眼の障害(網膜症)
    最大で76%まで低減できる可能性があります。
  • 心血管の障害
    最大で41%まで低減できる可能性があります。3 
  • 神経障害(ニューロパシー)
    最大で56%まで低減できる可能性があります。3 
  • 腎障害
    最大で69%まで低減できる可能性があります。3

 

インスリンポンプ療法の紹介

 

インスリンポンプ療法とは?

インスリンポンプは、あなたの身体のインスリン必要量に合った少量の超速攻型インスリンを体内に注入する携帯型の小型機器です。

インスリンの注入方法とは?

 インスリンポンプは昼夜を通して設定したインスリン量(基礎注入)を注入するようにプログラムされています。

 柔軟性のあるチューブによってインスリンがインスリンポンプから注入セットに送られます。

 皮下に留置した細く柔らかいカニューレを通して少量ずつ、インスリンを体内に注入します。

  インスリンが体内に吸収されます。

インスリンポンプによるインスリン注入方法とは

インスリンポンプによって体内にインスリンを注入する方法は2つあります。基礎(ベーサル)注入と追加(ボーラス)注入です。 

  • 基礎(ベーサル)注入とは、食事以外の時間帯に目標血糖値を維持するため、24時間365日持続的に少量のインスリンを注入する方法です。
  • 追加(ボーラス)注入とは、主に食事や間食時に必要となる追加のインスリン注入のこと。高血糖を正常値に戻すときに必要量のインスリンを注入する方法です。

 

インスリンポンプ療法が選ばれる理由とは?

  • ライフスタイルに合わせた治療が可能になります
  • 多彩なメニューにより、ニーズに合わせたインスリン注入や停止が可能になります
  • 重篤な高血糖や低血糖予防に繋がります
  • 糖尿病の合併症リスクを軽減させます

 

参考文献 

1. Bode BW, Steed RD, Davidson PC. Reduction in severe hypoglycemia with long-term continuous subcutaneous insulin infusion in Type 1 diabetes. Diabetes Care. 1996;19:324-327 

2. Doyle EA, Weinzimer, Steffen AT, Ahern JAH, Vincent M, Tamborlane WV.A randomized prospective trial comparing the efficacy of insulin pump therapy with multiple daily injections using insulin glargine. Diabetes Care. 2004;27(7):1554-1558

3. The Diabetes Control and Complications Trial Research Group. The effect of intensive treatment of diabetes on the development and progression of long-term complications in insulin-dependent diabetes mellitus. NEJM. 1993;329:977-986